設計したもの

土浦の離れ⑤

少しずつ進んできた土浦の離れの工事。

床の下地が終わり次からメインイベントとも言うべき壁塗り作業がはじまります。漆喰を塗りたいのですが壁を左官で綺麗に仕上げるのは至難の業なので、ある程度練習をしてから塗りの工程に入りたいと思います。

塗りの工程と同時進行で床の仕上げ材の発注、そして建具屋さんと電気屋さんに入ってもらう段取りをしなくてはいけません。

しかし解体から設計・施工までやるとなると結構しんどい。技術的にも出来ないと出来るの境界線が曖昧のために作業も練習しながらなので時間が読めない。職人さんの凄さを改めて痛感する日々です。そしていつもお世話になっている工務店さんのスケジュール管理の凄さにも感服するばかり。

建築を作るとき本当に多くの方に支えてもらっている事を感じます。

 

自分で設計して自分で作ることは、設計士としての理想の一つではないかと思います。

今、本当に贅沢な時間を過ごしています。

もう一回やれと言われたら少し考えるけど。

 

断熱材の上に気密シートと気密テープを施工。これで空気の流入を防ぎます。

 

床下地の工事もあと少し。

 

 

 

ノスタルジーではなくて。

ノスタルジーで昔あった空間を住宅の中に取り込むのは結局現代の生活に合わないものを作るということになります。

ノスタルジーではなくて、現代に必要な空間に昔からの要素を活かせるかどうかを考えなくてはいけません。土間・縁側などなどありますが、ただ似たものを置くだけではデットスペースを生み出すだけです。

 

今、進めているプロジェクトでは土間がフレキシブルな空間を必要とする住宅に活かせるのではないだろうかと検討しています。

客観性を失わないように注意しながら設計を進めています。

2月中にはHPの方にアップできると思いますので、お楽しみに。

積雪。

今朝から降り続いた雪が畑や屋根をうっすら雪化粧に変えました。

日本という国はこういう天気の変化を楽しんできた所だと思います。

 

通勤通学がある人にとっては雪などは交通機関の乱れとなるので嫌な存在かもしれませんが帰宅してからそれを楽しめる家を作りっていこうと思っています。

雨や雪・風を楽しめるとより豊かな暮らしになります。

 

ただシェルターとしての建物というより、人を守ってなおかつ楽しめる家を、とこういう天気の日は思ったりします。

 

 

一年前に植えたリュウノヒゲ。

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一年目に植えたリュウノヒゲ。タマリュウという種類です。

グラウンドキーパーとして植えた時は、まだまだ頼りなかったのですが今ではしっかり根付いてどんどん株を増やしていっています。

このタマリュウは寒さ・暑さに強く、ある程度の乾燥・湿潤状態でもしっかりと育ち、なおかつ日照が少ない場所でも育つというグラウンドキーパーとしては優等生な植物です。ここは少し日照も少なく、湿っている場所ですがすくすく育っています。

 

その土地の状態によって適している植物は変わってきます。

植物を植える時と同じようにその土地に合った家を、まるで土地に合う種を選ぶように設計出来たらと思っています。

 

時が経つと。

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小さな外の大きなトイレ」の一年検査の時の写真です。

竣工から時が経って木で作った部分や外壁など色の変化が出てきています。

 

新築時のまま保てれば良いのでしょうが、時間による変化は防ぐことができない事で高価な塗料や材料を使っても竣工後すぐの状態をずっと保つことは出来ません。

ですので自分が設計させてもらう時には、昔ながらの素材を所々に使ってその変化を楽しんでいただけるように設計しています。

 

人間も若い時のままではいられません。

建物もそうです。だから建物も時間が経つにつれ渋みが増したり、重厚感が出てきたり年を重ねる毎に魅力が発見できたり、魅力を増やしていけたらと思っています。

 

長く間その場にいるといろいろな変化が訪れるそんな建物や空間をどんどん設計していきたいと思います。

一年点検。

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先日曇り空の下でしたが「小さな外の大きなトイレ」の一年点検を行いました。

設計をさせていただいた時は必ず一年後の点検をさせていただいてます。今回は昨年竣工した茨城県土浦市にある農家を営むお宅の屋外にあるトイレです。

綺麗にお使いいただき嬉しい限りです。中にある試験管を花瓶とした一輪挿しも好評でお施主様はお花を活けて、トイレに入るのが楽しい!と本当に嬉しいお言葉を頂きました。

この一年、台風などもありましたが建物には全く問題はなく、しっかりと丁寧に作って頂いた工務店の方々には感謝しかありません。工事中は毎日現場に足を運んで、職人さんの仕事を見るのが楽しくてしょうがなかった日々でした。

いつかまたお仕事をご一緒したいな~。

 

「小さな外の大きなトイレ」(2015)→HPはこちら

設計:池田俊彦建築設計事務所(茨城県土浦市)

施工:株式会社 岡田工務店(茨城県土浦市)