長野の建築 3日目。

今日の行程

穂高神社〜仁科神明宮〜安曇野ちひろ美術館〜有明山神社〜くるまやそば〜碌山美術館〜穂高神社〜北アルプス牧場〜日本浮世絵博物館〜まつもと市民芸術館

昨日は軽井沢から穂高に移動し宿泊。旅の間は早寝早起きのせいか朝の目覚めが良い。少し天気が気がかりだけれど晴れることを祈って穂高神社に向かう。今日の行程はほとんどが宿泊したゲストハウスのオーナさんのおすすめだ。

穂高神社でお参りをすると少し晴れ間が出てきた、天気も大丈夫そう。次は最古の神明造と言われている仁科神明宮へ。集落から遠くない位置にありながらとても荘厳でどこか伊勢神宮のような雰囲気も少しある。そう考えていると鳥居は伊勢神宮の遷宮時のものを寄贈されたものらしい。最古の神明造と言われてもその歴史を検証する術はないけれど、ここが長い間信仰の対象となってきた時の重みは感じる。

穂高神社。有名なパワースポットらしい。鷹が悠然と飛んでいました。

 

仁科神明宮。この先に最古の神明造りである本殿がある。

 

仁科神明宮をあとにして安曇野ちひろ美術館へ。建築家内藤廣氏によって設計され、背景の山々と呼応した建物が特徴である。中に入ると木の構造と連なる屋根が個々の空間をうまく分けながら美術館としての機能を満たしている。訪れた人たちが各々の楽しみ方で過ごせるおおらかな美術館でもある。

安曇野ちひろ美術館① 職員さんおすすめアングル。

 

安曇野ちひろ美術館② ここも職員さんおすすめアングル。

 

内部は設備を隠すデザインではなくデザインの中に設備を隠している。また連棟間の樋部分は大きなボリュームがあるが展示室同士をつなぐための緩衝帯になっている。

そして子供連れのご家族にとっては大変良い場所で、子供たちは絵本という身近なものを改めて、大人は絵本というものを思い出しながら楽しめる美術館である。

職員さんにオススメのアングルを教えてもらい存分に写真を撮り、美術館をあとにする。帰り道、美術館の庭園で少年2人に話しかけられ、その流れで昆虫とメダカ・ヤゴのレクチャーをする。少年達の祖父母の方と合流しこの地域の昆虫について色々聞く。茨城にはあまりいないギンヤンマやアキアカネはここではまだたくさんいるとのこと。この旅は多くの良い人と出会う旅だ。

次は有明山神社とくるまやそば。ここでも宮司さんにオススメの場所を教えてもらったり、そば屋さんではもりよりもざるの方が多いからそうしたらと教えてもらったりと何かと嬉しい事が多かった。第一にもりもざるも同じ量にする方が良いかと思うがおつまみの馬のモツ煮が美味かったので、どうでもよくなる。

そばを堪能し、碌山美術館へ。もうそろそろ日記つけるのがだるくなって来るほど今日はよく回ったなと自分でも思う。碌山美術館は当時の早稲田大学今井兼次教授が設計した建物でキリスト教の建物を意識して作られている。外から見ると窓が大きすぎるかなと思ったがアーチの軒が光を抑制し部屋全体に優しい光に届けていた。やはり教会ではないので通常の教会とは光の部分で少し違うし、日本的な意識もあるのではと思わせる窓の構成になっている。

碌山美術館 設計:今井謙次

 

昨晩のスイカのお礼にと思い、お土産を昨晩泊まったゲストハウスのオーナーさんに渡して、穂高神社にもう一度寄り、松本へ。

いや松本に向かう前に、もう一つ大事なものを忘れていた。安曇野でしょここは、ソフトクリームでしょ。ガイドブックに載っていた北アルプス牧場の美味しいソフトクリームを堪能する。最近ソフトクリームを無性に食べたくなる衝動に襲われていたが、これでいったん鎮静化すると思われる。

さあソフトクリームを食べたので、松本へ。

日本浮世絵博物館は建築家篠原一男氏の作品だが、開館しているのか疑うほど活気がなく、使い方もあまり良くない。窓を内側から覆いそこをショップにしたり、鉄骨の色も勝手に変えているのではと思うほど空間に合ってない。それに少しの展示しかないのに1000円はどうだろうか。もう少しどうにかならないものかと考えていると競輪収益利用施設と書いてある。建設することが先立ったような、とりあえず建たような博物館なのかもしれない。充実した使われ方をしていない建物はどこか悲しそうだ。

日本浮世絵博物館 設計:篠原一男 とりあえず活気がない。どことなく建物も寂しそう。

 

それに比べてまつもと市民芸術館は活気もあり、人々が自由に出入りし、イベントがない部分ではそこかしこでくつろいでいる人々の姿がある。立地が良いというのもあるがそれだけではない。デザインとしては模様系曲線のシークエンスの中にボックスの小ホールなどの機能が入る。内部はコンパクトなエントランスの影響もあってか、広がり方が素晴らしい。ゆったりとした階段部分の繋がりと広がりがこの建物の見処でもある。

まつもと市民芸術館 設計:伊東豊雄 伸びやかな曲線の空間が自然と奥に誘ってくれているかのよう。

 

疲れて来たのでホテルに向かい、駅で見つけた名物の山賊焼き弁当を食べる。でも一人旅だと食事にはあまりお金をかけなくなるな~、同行者がいると食事はもっと楽しいのだろうけどこんなタイトなスケジュールだとクレームが出そうだし。まあ一日いろいろ盛り沢山だったのでこの日記をスマホに書きながら早めに寝るとする。

明日も色々と早くから回る予定だ。