安藤忠雄展@国立新美術館

国立新美術館で行われている、安藤忠雄展へ行ってきました。

ギャラリートークに合わせて日程を調整して、平日の金曜日に乃木坂へ。展示はもう盛りだくさん、凄まじい内容です。これだけの個展を開いて採算がとれるのは日本では安藤さんただ一人ではないでしょうか。建築関係者でなくても、ものすごく楽しめる展覧会だと思います。模型やドローイングは美術品としても十分な価値があると思いますし「世界にはこんなことをする人がいる」ということを学ぶにはうってつけの展覧会です。(ギャラリートークの時に安藤さん自ら話されていました)。

初期の作品である「住吉の長屋」などから多くの作品が展示されており、僕は見終わるのに4時間を費やしました。(普通の人は2時間ぐらいかな)それほど内容は充実しています。

安藤さんの作品は実物の方が写真よりも驚きや感動があります。時折写真のほうが良かったなと思う建築物も正直ありますが、安藤建築はそれがないように感じます。その理由は展示されている図面の中の緻密に検討されたディテールにあると思います。もちろんディテールだけではありませんが、緻密な積み重ねが素晴らしい建築物になっていく過程を強烈に見て、感じる事ができます。それを目にすると身が引きしまる思いと同時にそれ以上の感動を覚えます。建築物に対する挑戦という今回の展覧会のテーマでもある信念があってこその膨大な積み重ねを可能にしています。

そしてその挑戦という面は年代を追っていくように展示されている作品でも垣間見えることができます。シンプルな外観の住吉の長屋から様々の形状・内部の変化を内包していく住宅の流れから多くの挑戦を見ることができ、そしてそれらの住宅から進行中の大きなプロジェクト・活動から社会に対して何を還元できるのかという挑戦も見ることができます。年齢とか職業とか関係ない、自分が何ができるか、社会に対して何を還元できるか考えるキッカケ・挑戦するキッカケになる展覧会でないでしょうか。

1度だけでなく2,3度訪問したい展覧会です。

ポスター 光の教会をバックに、カッコイイ。

原寸で再現された光の教会。本物にはガラスが入っています。安藤さんはいつか本物の協会のガラスを抜きたいそうです。

コンクリートが打ち込まれた本物を見たくなります。