土浦の離れ①

ちょっとした古民家再生のプロジェクトが進み始めました。

現場でデザインを決め、工事をするのはお施主さんと私という何ともゆったりとしたプロジェクトです。

まずは掃除しながら床を解体し、床下地を作り足場ができてから壁などの作業に移行していく予定です。

写真のように少しだけ床を解体するだけで、ざっと1時間。解体業者の方の技術には驚かされるばかりです。

すごく時間かかる。特に手ノコでやっていると。

そこですぐさま丸のこを注文です。これで進みが早くなるはず。

 

これから継続して改装の様子をブログにアップしていきます。

 

暑いですね。

ここ最近ぐんと気温が上がって暑い日々が続いていますね、パソコンでの作業がキツくなってきます。

作業している部屋には冷房がなく、隣の部屋の冷気を扇風機で送って仕事を何とかしています。仕事場は日本家屋なので気温30度くらいまでは扇風機で余裕なのですが33度になると流石にキツイ。

 

伝統的な日本家屋は隙間風があるので冷房が効きにくいイメージかと思いますが、廊下が回っている住宅ならガラス戸と内部の障子戸を断熱することで冷房効率が改善されます。それは冬の暖房効率が上がるということでもあります。

一概にはすべての日本家屋で効果があるかは詳しい検証が必要ですが、断熱改修の効果は現在快適性だけではなく健康面にも好影響があると言われています。

改築まではとちょっと・・・という方もこの暑さをキッカケに一度断熱改修について考えてみるのも良いかもしれません。

 

台風。

今、雨が降り始めました。台風三号の影響かと思われます。

 

台風は低気圧・晴れは高気圧と言われますが、この気圧という概念はトリチェリ・パスカル等によって作られ、後に気圧計も発明されました。

そして気圧と天気の相関を発見したのはドイツのマグデブルグ市長であったゲーリケでした。彼は気圧の測定を連続して行い、気圧と天気の変化に関係があることを発見します。この発見がその後の気象学の基礎のなったのは言うまでもありません。

 

ゲーリケの何が凄いのか。それは発見があるかわからないけれど仮説をたて、研究・計測を続けたことだと思います。もしかしたら仮設自体が間違っているかもしれません、しかし彼は続けた。そして発見をしました。

しかしただ続けているだけでは発見はなかったのではないでしょうか。彼は続けながら仮設を立て、検証を繰り返したはずです。

 

ただ漠然と続けてるのではなく、目的意識を持って、試行錯誤を繰り返すことの重要性を彼の研究は教えてくれます。

続けると突き抜ける瞬間があり、ダメでもこれはダメだという発見がある。この先に何があるかわからないけど、しっかりと続ける事の重要性を台風のニュースを見て思い出しました。

 

散歩をすること。

最近、散歩をするようになりました。近くの公園まで往復20分程度のものです。

はじめの内はいつも通り慣れている道なので目新しさはなく、いつもの風景だったのですが、1週間を過ぎる頃には色々な発見をするようになりました。

小さなことが多いのですが、クチナシの花や欠けたそこが模様になっている漆喰壁、猫の一家、多分車で通っていたら未だに存在にも気付いていなかったと思います。

 

ここで考えてみると、何かを発見するにはちょっとした前提があるのかもしれません。

それはその環境が当たり前になる事。その環境に慣れることそれが前提として必要になるのではないでしょうか。

いつも見ている景色が変わった時、人は敏感に感じ取り変化に気づきます。

それと同じで何かを発見する時は周りの環境に慣れる(その状況が当たり前になる)ことで少しの変化に気づくような状態になることが必要なのではと推測しています。

 

次のお仕事は自分の家の近くなので環境は知っているつもりですが、ちょっと距離にも違いがはずですので、まずはその土地の環境に慣れてみることからはじめてみようかと思います。

 

 

体制を整える。

今回友人とコンペ(設計競技)をやっていますが、ひしひしと体制を整えることの大事さを痛感しています。

最初から満足する体制を作るというものではなく、最低限の場所を確保して作業効率を上げる体制づくり場所づくりが必要だと感じています。

仕事の合間にやっている事務所の改装は未だに進みが遅く四苦八苦していますが、早めに終わらせ落ち着いて仕事ができる状況を早く作らないとなりません。

再来年には事務所は移転する予定なので今の所を改装しても一年ちょっとしかいないというのは勿体無い。早く早くと気持ちが焦るばかり。

 

職場の環境はすごく大事だと昔から思っていて、世界的建築家のリチャード・ロジャース氏はテムズ川の辺りの自然が眺められる場所にオフィスがあり、日本事務所を開設する時は自然が見えないと駄目だと川の畔を希望していたそうですが良い物件がなかったので表参道の並木道が窓から見える緑豊かな場所にしたそうです。

やっぱり僕達、建築設計を生業にする者は環境の良い所にオフィスを構えなくてならないと思います。

良い環境を作るには良い環境からです!

 

一人でやるのと。

最近、友人と一緒に仕事をしています。一人で仕事する方が一見効率的かと思われるかもしれませんが、クリエイティブな仕事に関しては全くの逆のような気がします。

あくまでも僕の場合ですが、一人でやっているとアイディアが凝り固まって以外と進みは遅く決断が遅れる。

しかし友人と一緒の時はいろいろな議論から多くの選択肢が生まれ、なおかつ議論から決断材料が多く出てくるため結果として仕事が滞りなく早くなる。

そして議論から新しいアイディアが生まれることも多々あります。

友人にアイディアを見せる時は簡単な図面等を用意するのですが、その準備する時間も無駄ではなく自分の案をどう伝えれば良いか考える時間になります。

同業者の友人と議論するだけでこれだけのメリットが有るのだから、他業種の人たちと仕事をするときはもっと多くのメリットが生まれるはずです。

その時が楽しみです。

 

藤森照信展@水戸芸術館

 

先日、水戸芸術館で行われた藤森照信展を拝見しました。

今まであまり藤森さんの作品に触れる機会がなかったので楽しみでした。期待を裏切らず、普通の建築家の展示とは異なり苔や荒々しい自然素材がそこかしこにあるふしぎなものでした。

まずは愛のあるディスりが入っている磯崎新さんの本展へに向けての文章が迎えてくれます。この文章は今回の展覧会をすごく捉えやすくしてくれます。

中に入ると写真と実物の椅子、その奥にはタイルが貼ってある車が。藤森さんの現代建築を原始的な素材で包むいわゆるハイブリットな状態が展示の内容にも現れています。

一見、素材に目が行きがちですがデザインのバランス、ディテールの細かさ、素材や技術に対する試行錯誤などが目を引きます。

氏の卒業設計などの展示もあり、いろいろと読み解いていく楽しさがあるまさに藤森さんの頭の中を探検するような雰囲気を受けます。

磯崎さんの文章の中にあった暗号解読という言葉が正にぴったりです。

また展示の中にもある藤森さんが本社を設計なさったお菓子メーカーのたねやさんの展示やカフェもあり間延びしない、時間をかけて楽しめる内容でした。

でもここまで苔などの自然素材があふれる展示は初めてでした。

そしてとてもいい香りでした。

 

見ていると実際の作品を見に行きたくなります。

暗号解読にはまだまだ先がありそうです。

 

夕暮れ時は。

アメリカの建築家ルイス・カーンは決まって夕暮れ時に事務所の窓際に立ち、外を眺めていたそうです。彼はその時間をとても大切にしていて、その時間は所員は誰一人として話しかけることはなかったそうです。

どういった理由で彼がその時間を大切にしていたかはわかりませんが、この時間がすごく魅力的で大切な時間だということははっきりわかります。

夏の西日は特に温熱環境の面であまり良くないのですが、それを超える魅力が夕焼けにはあると思います。快適に暮らしながらも生活の中の魅力はなくさないように設計をする必要があると思います。

 

まとめて。

先週末、都内のイベントをまとめて回ってきました。

 

①マルセル・ブロイヤー展

制作を通じての積み重ねや改良が見ることができる、会場はコンパクトでも内容は充実している展示でした。美しい家具を見ているだけでも楽しいですが細部を見始めるとこれまた面白い。思った以上に時間が必要でした。

 

 

②山田守展(@青山にある山田守自邸)

故山田守先生の自邸で行われた展示。自邸の中を見られる貴重な機会でした。不思議な寸法の空間が幾つか。しかし全体を見渡すとその意味がわかる建物でした。たまたまご来場なさっていた建築家の方にいろいろお話を伺いながら、自邸というプライベートな空間を体験できました。

次回は一階にある蔦カフェでゆっくり時間を過ごしたいと思います。

 

・おまけ

途中、神保町シアター(設計:日建設計)へ。やっと見れました。

実際見てみると斬新なフォルムを緻密な設計が支えている事がわかります。なにかエッジが効いたフォルムですが、すごく優しい建築に見えました。

次はどの展覧会にしようかな。