建築用例採集

ひっそり佇む。その時を待っている。

つくば市にある集合住宅です。しかしもう入居者はいません。近いうちに取り壊されて払い下げられ企業などによる入札後、マンションもしくは場所的には住宅地として開発されると思います。素晴らしい住環境がここにあったのだろうと容易に想像できるキレイで新しい廃墟です。

ただ再開発し住宅地とした方が経済的には良いはずです、ノスタルジーだけでは語れない部分がこういった土地や住宅地にはあります。それにつくば市内の駅近の住宅は未だに人気がありますし。

西日に照らされ配管が寂しく光っています。とても丁寧なメンテナンスが行われていたのか配管がまだきれいです。

各住戸には前庭からベランダを通じてアプローチできるようになっており、現在のアパート等には見られない形です。

 

まだまだ住めそう。と言うか借りて事務所とか開きたい。そういう人いっぱいるのではないでしょうか。借地借家法の観点から貸すのは難しいのかもしれません。

 

大きい木蓮が何本かあったので、こういった生活の目印となる木々を残しての開発も必要ではないでしょうか。コンテクストを少しだけでも残してその土地に昔からあった要素を残していく。それも悪くないと思います。

 

用例採集②鎌倉出張にて。


鎌倉出張で気になった建物。
直角に並ぶ前二面の2つの三角屋根が後ろ側で四連の三角屋根になるポンプ場です。

塊のようにも見える無機質なコンクリート造が三角屋根と線路に挟まれた敷地形状の影響で屋根の変化が生まれ、建物の印象を軽快にしている。
そして表面には装飾が三段階に施され、小気味いい印象にもなっています。

塊として街に大きくあるというよりは街に合わせて形を変えている建築物だと思います。

建築用例採集①

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・建築用例採集① ~窓・トタン・薄い屋根~

土浦市内にある、外壁がトタンで出来た建物です。

トタンの外壁の色、そして外壁の継ぎ合わせと窓のバランスが良い。

全体はこじんまりしていますが、窓が大きくそして屋根が薄いのでかわいい雰囲気が出ています。この屋根と窓のバランスは考えて出来たものじゃないと思います。そしてよく見ると軒の出がアシンメトリー!なにか魅力を感じるバランスを持った建物です。

何気ない建物に魅力を感じると言うことはそれには理由があって、それをこれからの建築用例採集を通して考えていけたら面白いかなと思ってます。

用例採集。

映画「舟を編む」で用例採集といって、国語辞典に載っていない言葉を見つけ、どういった場所で言葉がどう使われていたかメモして集めていく作業があるのですが、ちょっと前から自分なりに建築の用例採集をしています。

いろいろ自分で決めたルールがあって、有名な建築物や建築家が設計したものではない・周辺に馴染んでいるなどなど。

あとはバランス・色彩・形態が面白いこと。←これが重要です!

いつかこの用例採集の中から要素を取り出して設計に活かせればと思っていたのですが、それよりもただ単純に面白い!街に眠っているお宝探しのようなものです。今現在、数は少しづつですが貯まってきています。どれも何気ない風景の中にあるので気付き難いけど、よくよく見ると面白い。

これからちょっとずつ紹介していきたいと思います。

お楽しみに。

古民家の軒先。

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先日、仕事でお伺いしたつくば市にある古民家レストランの軒下です。

国の指定文化財にもなっている建物で、7層もある茅葺屋根は圧巻です。

家を作る時にいつもこういった昔から培われてきた技術や知識・空間を活かそうと考えています。軒下や縁側・屋根や柱、床の間などなど昔からあったとても気持ちの良い場所を現代の必要性や生活の仕方の中に入れていく事でもっと豊かに暮らせるのではと考えています。

なのでこういった良いな~と思う空間はすぐさま写真に収めます。

端から見たら何の変哲もない場所かもしれませんが、私にとってはお宝を写真に収めているようなものなので、土浦・つくば近辺でそういった人を見つけても決して怪しい事しているわけではないですからね、本当に(汗)。