追い込みと変化。

只今、今月末の締切に向けて絶賛追い込み中です。

でもそんな追い込みの中でも客観性を忘れずにやっていかなくてはなりません。

自分の世界に入っていく事は重要なのですが、それを説明する時は客観性を持っていないとただの自己満足の作品になってしまいます。それでは意味がないのです。

 

なので設計する時はいつも客観的に確認をし続けるようにしています。

それを続けるときっと素晴らしい空間が出来上がると思っているからです。

だから今は確認の連続ですがきっといい結果が出ると信じ、作業に向います。

つくばの団地。

つくば市には有名建築家が計画した住宅地や設計した団地などが点在しています。

そんな中の一つがつくば市並木にあります。

設計:茨城県土木部住宅課、(有)山下和正建築研究所、住棟設計は(株)現代計画研究所と共同(つくばハウジング研究会HPより引用)

一見少々複雑に見えますが、シンプルなプランと幾つかのルールで設計されています。筑波研究学園都市の計画の中で設計されたものですので、敷地に余裕があり、外部空間も豊かである上に住棟の間隔が広いのでとても良い住環境が確保されています。

竣工後30年以上経過しても入居されている方が多いのはこの住環境の良さだと思います。

また建物の表と裏が正反対であり、表側の空間を成立させるために裏側が犠牲になっている印象です。

 

つくばに点在するこのような貴重な団地なども少しずつ解体され住宅地になっています。良い住空間を残しながら現代に合わせていくやり方が必要な気がしました。

 

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一つのことを考えると。

設計する中で1つの事をずっと考えていると、始めの頃は珍しい答えを求めていたりするのですが、終盤に近づくと何かとてもシンプルなものになって来る気がします。何か既視感があるような建物が出来上がっていきます。

 

その理由を考えていくと、これだと暮らしづらそう、ちょっと危ないかも、家事がやりづらい、工事が難しいかな、お金がかかる割には、などなどいろいろ考えてしまうからだと思います。

 

全体を考えて、住む人の事を考え続けてシンプルだけど良い暮らしが出来る家や空間を作るのが自分の設計だと近頃は考えるようになってきました。

普通に見えるけど、暮らしを楽しんだり、落ち着くことができる場所を作る。

 

すごく難しさを感じますが、そこを目指していきます。

 

ノスタルジーではなくて。

ノスタルジーで昔あった空間を住宅の中に取り込むのは結局現代の生活に合わないものを作るということになります。

ノスタルジーではなくて、現代に必要な空間に昔からの要素を活かせるかどうかを考えなくてはいけません。土間・縁側などなどありますが、ただ似たものを置くだけではデットスペースを生み出すだけです。

 

今、進めているプロジェクトでは土間がフレキシブルな空間を必要とする住宅に活かせるのではないだろうかと検討しています。

客観性を失わないように注意しながら設計を進めています。

2月中にはHPの方にアップできると思いますので、お楽しみに。

遅ればせながら。

皆様、あけましておめでとうございます。

本日1月5日より通常業務に戻ります。

また新しい一年を迎えるにあたって、色々と学びながら新しい挑戦を続けます。一年間に行った事が少しずつ浸透していくように。

少しづつですがしっかりとした歩みをしていきたいと思います。

たとえ嫌われようとも良い方向に進めていけたら、それが本当にいい方向であり、私達建築士がしなくてはいけないことだと思います。

 

それでは皆様、今年一年もよろしくお願い申し上げます。

池田俊彦建築設計事務所

代表 池田 俊彦